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最初の門を叩く勇気を尊重したい

この2年間、対人援助職のための相談所Big Beansという事業を続けてきて

感じることや思うことを複数回にわたって書かせていただきたいと思います。

 

まずはあまり聞こえの良い話ではない話題から。

 

この2年間で「無断キャンセル」というものを何度か経験してきました。
個別相談や勉強会にお申込みがあって、何度かメールでやり取りするものの

当日になって、申込者が現れないという経験です。

 

私たちは「無断キャンセル」という事態に不慣れです。

というのも、自分たちはそういうことをしたことがないからです。

 

そして、そういう事態に直面した時、いろいろな感情と発見があります。

いろいろな感情としては

「まあ、世の中にはふつうによくあることなのかもしれないなぁ」とか(←宴会予約の無断キャンセルとか、よく聞きますよね)

「それにしても対人援助職なのになぁ」とか(←障害福祉や医療保健分野で働く人は聖職?みたいな偏ったイメージですね)。

もちろん、ふつうにちょっとダメージを喰らったりもします(←とほほ💦という気分ですね)。

 

でも、いつもこんな風に思いなおすんです。

「やっぱり最初って勇気がいるよなぁ」って。

 

【最初の門を叩く】というのは、誰しもとても勇気がいるんだろう、と。

私たちのことをすでによく知っていたり、よく知っている誰かの紹介だったりすると

さほど勇気がいらないのかもしれません。

 

でも、例えば私たちのホームページやSNSを偶然、目にした、とかいう場合、

興味はあるけど「(この人たち)大丈夫なのかなぁ」というセンサーも同時に働くと思うんです。

たぶん、それはごく当たり前のことです(まだ世の中にはそう多くない業態なので)。

 

「出会う」ということ。

それ自体、とても勇気のいることですし、私たちはそのことを十分 分かっているつもりでいます。

なので、初めてのお問い合せやお申し込みをいただく時に、いつもその人の❛勇気❜に思いを馳せます。

 

そして、無断キャンセルという事態に直面した時にも「あと一歩のところで 何かがその人を押しとどめたんだろうな」と

その人の勇気と恐れの葛藤のようなものを感じています。

 

残念なのは「キャンセルの連絡がなかったこと」ではなくて

無断キャンセルをしたことで、(そのことを負い目に感じて)もう一回コンタクトを取ろうという気持ちが萎えてしまって

「つながるチャンスが絶たれてしまうこと」です。

 

お問い合せやお申し込みをいただいた時点では、きっと何か必要を感じていたはず…と思うのです。

なので「またいつでも連絡をくださいね」というのが本心です。

まあ、でも何度も無断キャンセルOKというわけにもいかないので、そこには私たちの葛藤があるわけですが💦

信頼関係は初めからあるものではなく、徐々にともに作っていくものだと考えています。
勇気を出して、お問い合せやお申し込みをしてみた…でも、あと一歩が出なかったという方は
ご自身のタイミングが来た時に、ぜひもう一度私たちにコンタクトを取ってみてください。

 

この最後の三行をお伝えするために、長々と書いてしまいましたが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(やまさき)